理事長所信
PRESIDENT'S OPINION

Hidedaka Kadoi

理事長所信
2021年度 理事長      門井 秀孝

理事長所信
2021年度 理事長      門井 秀孝

はじめに

    今、我々はどのような時代を生きているか。2020年に見舞われた新型コロナウイルスによるショックは、元々、経済成長率が先進国の中で低迷し、構造的問題を抱えている日本の様々な問題を浮き彫りにします。直面している問題に対し、我々は一刻も早く解決策を見出していく必要があります。
    私は、自分を育ててくれた横須賀という地域を愛しております。この横須賀から笑顔が消えていく様を傍観することはできません。我々は、自分自身がこの歴史的局面に遭遇している事実をしっかりと受け止め、その上で迅速かつ有効な一手を講じていかなければなりません。
    本年は、“横須賀経済の再興”と“地域コミュニティの重要性”を主題といたします。この主題を念頭に置きながらも、常に多角的な視点で全ての事業を構築してまいります。そして、時勢の変遷を見誤ることなく様々なパートナーと連携し、一過性で終わることのない持続可能な、全体としての最適化を図れる運動を展開してまいります。

【横須賀経済の再興】

    人々が安心して生活するためには、経済的な豊かさが必要です。現在の収入に心から満足をしている人はどの程度いるでしょうか。毎年増額されている社会保障費を考えても、今後ますます収入を増やしていかなければ現在の生活は維持できません。そして、経済的豊かさを考える際に、人口減少問題は切っても切れない関係です。
    横須賀市の人口をこの20年間で見てみると、2002年の約43万人をピークに、毎年減少、2020年には約39万人となりました。人口減少のトレンドは、横須賀に限った話ではなく、日本全体が抱える問題です。生産年齢人口の生産性が現在と変わらず、社会保障費が横ばいのままであると仮定した場合、2060年には64歳以下の人は収入に対し、60%以上の負担を強いられると推計されます。この問題を解決するためには何が必要でしょうか。それは生産性の向上です。
    一人あたりの生産性を向上させることにより、人口減少社会においても、経済を維持・発展させることが可能です。本年は横須賀経済を再興するにあたり、生産性を高めることに着目して事業を構築してまいります。

【地域コミュニティの重要性】

    昨今、地域コミュニティの希薄化が叫ばれて久しくなっております。地域コミュニティの希薄化とは人と人とのつながりが希薄化することであると考えられます。その結果として、どのような問題が発生するのでしょうか。それは地域の共助が難しくなるということです。ますますの人口減少が見込まれる時勢を鑑みると、共助の精神なくして地域は成り立ちません。15歳から64歳の9,400人を対象としたある調査では、友人数が0人の場合と20人以上の場合で主観的幸福度が2倍以上違うという結果が得られております。この結果からも、人々が笑顔で生活を送る上で、友人数、つまり人と人とのつながりが非常に重要であると言えます。
    また、横須賀青年会議所は、よこすかシーサイドマラソンを40年以上、毎年開催させていただいておりましたが、2020年度は新型コロナウイルスの影響により中止という決断に至りました。よこすかシーサイドマラソンは、地域コミュニティを育む良い事業であると考えておりますが、開催については未だ予断を許さない状況になることが予測されます。
    本年は、あらゆる可能性を模索しつつ、改めて地域コミュニティの必要性を発信し、創造していく事業を展開してまいります。

【運動を支える組織運営力】

    我々が思い描く未来を創造するにあたり、根幹をなすのは組織の運営力です。いかに、良いことをしていても、費用対効果が低い、コンプライアンス違反を犯している、広報が不十分で周知ができていないとなってしまえば、全く意味がありません。
    資金や人材は、無尽蔵に湧き出るものではございません。そのため、効果の高さを基準に明確な優先順位をつける必要があります。費用対効果を高めることで、限りある組織内の資源を効率的に用いることができ、効果的な運動展開が可能となります。また、いかに効果の高さを求めようとも、そこにルール違反やモラル欠如が垣間見えては、我々の信頼は失墜してしまいます。各種法令をしっかりと遵守するとともに、モラルを重視した活動をしなければなりません。そして、我々の運動に対しご理解いただき共感を得るためには、より受け取り手を意識した広報活動を行わなければなりません。     そのためにも、本年は行う事業を効率的に、正しく、そして届けるべき人に必要な情報を発信していき、盤石な組織運営体制を確立いたします。

【横須賀の発展に寄与する会員資質】

    あなたは、未来がどのようになっていくか知っていますか。先のことなど誰にもわからない。そう言ってしまえばそれまでです。しかし、横須賀青年会議所は多くの歴史と経験を持ち合わせております。正確な現状分析と歴史に裏付けられた経験をもとにすれば、ある程度の未来を予測することができます。この未来を見定める力こそ、重要なスキルです。我々は未来を見定め、適切に対処していくことで、横須賀の発展に寄与することができます。そのためにも、自身の体験のみならず、様々な歴史の賜物から学んでいく必要があります。
    青年会議所は、まちの発展に寄与する運動を展開するとともに、人の成長にも寄与する団体です。人の成長とは何でしょうか。それは、できなかったことができるようになる、ということに他なりません。我々は主体的に成長していき、未来を見定め、不幸な結末を変えていかなければならないのです。
    本年は、横須賀青年会議所メンバーの資質を開発する仕掛けを用い、他所では経験できないような学びの機会を提供し、新たなスキルを手に入れていただきます。そして青年会議所活動に対する意識を醸成することで、まちの発展に寄与してまいります。

【未来を切り拓く仲間】

    ある崇高な目標を持った時、全てを一人で成し遂げることが可能な人はこの世の中に、どの程度いるでしょうか。我々は既に気付いておりますが、そのような人は極めて少なく、一人で全てを成し遂げるには限界があります。しかし、それが2人、5人、10人、50人と増えていけば、そこからもたらされる成果も逓増的に増えていきます。
    青年会議所は、明るい豊かな社会の創造を目指し、運動を展開しております。そこに携わる人が増え、共に活動していくこと、これが最も効果的な運動です。なぜなら、青年会議所の理念に共感いただいたメンバーそれぞれが明るい豊かな社会を目指すとともに、横須賀青年会議所にでき得る活動も大幅に増え、広く運動を展開することができるからです。
    本年は、改めて横須賀青年会議所の魅力を広く発信し、共感いただける仲間を一人でも多く発掘し、友情を育んでまいります。

【組織の変革期~創立70周年を見据えて~】

    既にご承知の通り、現在は凄まじい少子高齢化の時代に突入しております。そのような中、経済的豊かさは失われつつあり、今後の地域を担っていく青年世代は、かつてより重い負担を強いられることは前述の通りです。横須賀青年会議所内においても同様の事象が発生すると考えられます。青年世代自体の数が減り、会員数の減少が起こり、今までのように事業を構築することが難しくなってきます。青年会議所の理念に共感いただき、活動を共にしても、そこにあまりに大きな負担がかかるのでは、活動を継続していくことは困難です。人生において無駄なことはなく、全ては自身のためになる。確かにその通りです。しかし、限られた時間、限られた資源の中において、全ての物事に対応することは叶いません。本当に大事なことは何でしょうか。それは、自分自身の成長につながっているか、まちの発展に寄与しているかということです。そして、その活動に対する費用対効果の観点は非常に重要です。無駄とは言わないまでも、費用対効果の高くない活動に対して、必要性の再考や改善をしなければなりません。
    本年は創立してから69年目を数え、中期ビジョン「横須賀Innovation」集大成の年である創立70周年という節目に向け、新たなビジョンの策定に着手してまいります。また、今後の組織の方向性をどのようにしていかなければならないのかを議論する機関を設置し、しっかりと結論を導き出してまいります。その先には、会員誰もが成長を遂げられ、まちの発展に寄与できる組織が待っています。

【むすびに】

    私は2012年4月11日、横須賀青年会議所に入会いたしました。入会以降、数多くの苦楽を経験し、生涯の仲間を手にすることができました。多大なる恩のある横須賀青年会議所と、私を育ててくれた横須賀の未来を本気で考えております。

“組織内部の変化が
外部の変化についていけなくなった時
 終わりはすぐそこに来ている”

これは、ゼネラル・エレクトリック社の最高経営責任者を務めた、ジャック・ウェルチ氏の言葉です。我々は変わり続けなければなりません。我々は挑戦し続けなければなりません。居心地の良い場所から抜け出した時、初めて未来は切り拓かれます。変わるのは怖いことです。挑戦には失敗が付いてまわります。しかし、進取不屈の精神で立ち向かい、乗り越えた時こそ、新たな価値を創造していくことができると確信しております。
    横須賀青年会議所のあるべき姿を常に追い求め、必要とされる団体であり続けるために、理事長として一年間の運動を全力で推進していくことをお誓いいたします。多くの場でパートナーとなっていただいた方々に、今後ともご協力賜りますこと、そしてメンバーの皆様の厚き友情と、先輩諸氏の変わらぬご指導ご鞭撻を心よりお願い申し上げ、私の所信とさせていただきます。